クレーンの休止と廃止

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 クレーンの休止とは、検査証の有効期間を超えて使用を停止することをいいます。廃止とは、クレーンのつり上げ荷重を3t未満に変更又は廃止することをいいます。




クレーンの休止

 つり上げ荷重が3t以上のクレーン(スタッカークレーンは1t以上)を設置している者がクレ
ーンの使用を休止しようとする場合において、その休止しようとする期間が検査証の有効期間を経過した後に渡る時は、クレーン検査証の有効期間中にその旨を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。ただし、認定を受けた事業者については、この限りでない。
                              クレーン等安全規則第48条
 本条の休止とは、クレーンを設置したまま検査証の有効期間を超える期間使用しないものをいう。認定事業者は、休止報告の必要はないが、実施状況等報告書の提出の際に休止の状況等について併せて提出しなければならない。

使用再開検査

 休止しているつり上げ荷重が3t以上のクレーン(スタッカークレーンは1t以上)を再び使用する者は、休止しているクレーンについて所轄労働基準監督署長の検査を受けなければならない。使用再開検査を受けようとする者は、クレーン使用再開検査申請書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
                         クレーン等安全規則第49条第1項第3項
この検査は、登録性能検査機関は行わない。

 ● 検査内容

第6条第2項から第4項(落成検査)までの規定は、使用再開検査について準用する。
                           クレーン等安全規則第49条第2項
 検査においては、クレーンの各部分の構造及び機能について点検を行う他、荷重試験及び安定度試験を行うものとする。ただし、天井クレーン、橋形クレーン等転倒する恐れのないクレ
ーンの検査においては、荷重試験に限るものとする。
1. 荷重試験
  クレーンに定格荷重の1.25倍i相当する荷重(定格荷重が200tを超える場合は、定格荷重
 に50tを加えた荷重)の荷をつって、つり上げ、走行、旋回、トロリの横行の作動を行うもの
 とする。
2. 安定度試験
  クレーンに定格荷重の1.27倍に相当する荷重の荷をつって、クレーンの安定に関し最も不
 利な条件で地切りすることにより行うものとする。この場合において、逸走防止装置、レー
 ルクランプ等の装置は作用させないものとする。
                       クレーン等安全規則第6条第2項第3項第4項

 ● 使用再開検査を受ける場合の措置

 第7条(落成検査を受ける場合の措置)の規定は、使用再開検査を受ける場合について準用する。
                              クレーン等安全規則第50条
 検査を受ける者は、当該検査を受けるクレーンについて、荷重試験及び安定度試験のための荷及び玉掛用具を準備しなければならない。所轄労働基準監督署長は、検査のために必要があると認める時は、当該検査に係るクレーンについて、次の事項を当該検査を受ける者に命ずることができる。検査を受ける者は、当該検査に立ち会わなければならない。
1. 安全装置を分解すること
2. 塗装の一部を剥がすこと
3. リベットを抜き出し又は部材の一部に穴を開けること
4. ワイヤロープの一部を切断すること
5. 検査のために必要と認められるその他の事項
                              クレーン等安全規則第7条

 ● 検査証の裏書

 所轄労働基準監督署長は、使用再開検査に合格したクレーンについて、当該クレーン検査証に検査期日及び検査結果について裏書を行うものとする。
                             クレーン等安全規則第51条
使用再開検査に合格したクレーンは、検査証に裏書が行われると共に有効期間が定められる。

検査証の返還

 つり上げ荷重が3t以上のクレーン(スタッカークレーンは 1t以上)を設置している者が、その使用を廃止した時、又はクレーンのつり上げ荷重を3t未満(スタッカークレーンにあっては1t未満)に変更した時は、その者は、遅滞なく、クレーン検査証を所轄労働基準監督署長に返還しなければならない。
                              クレーン等安全規則第52条
 本条のつり上げ荷重の変更は、変更届、性能検査等に基づいて認められたた場合のみ可能になるものである。

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