使用の制限

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 つり上げ荷重が0.5t以上3t未満のクレーン(スタッカークレーンは0.5t以上1t未満)は、労働安全衛生法や施行令において、クレーン構造規格を具備するものでなければ、譲渡、貸与、設置してはならないと定められています。


使用の制限

 事業者は、クレーンについては、法第37条第2項の厚生労働大臣の定める基準 に適合するものでなければ使用してはならない。
                                              クレーン等安全規則第17条

 法第37条第2項の厚生労働大臣の定める基準とは、クレーン構造規格をいうものである。本条は、つり上げ荷重が3t以上のクレーン(スタッカークレーンは1t以上)について規定したものである。

検査証の備付け

 つり上げ荷重が3t以上のクレーン(スタッカークレーンは1t以上) を用いて作業を行う時は、作業を行う場所に当該クレーンのクレーン検査証を備え付けておかなければならない。
                                              クレーン等安全規則第16条

 検査証を備え付ける場所とは、クレーン作業を行う作業場又は事業場の事務所等をいうもので、クレーンの運転士が携帯する必要はない 。

傾斜角の制限

 ジブクレーンについては、クレーン明細書に記載されているジブの傾斜角(つり上げ荷重が3t未満のジブクレーンにあっては、これを製造した者が指定したジブの傾斜角)の範囲を超えて使用してはならない。
                                              クレーン等安全規則第24条

 クレーンのジブは、傾斜角が小さくなるほど定格荷重が小さくなる。 定格荷重が小さくなると、過負荷によりクレーンの倒壊を招くことがある。このため、ジブクレーンは定められた傾斜角を超えて使用してはならない。つり上げ荷重が3t未満のジブクレーンの傾斜角は、仕様書や説明書に記載されている。

搭乗の制限

 クレーンにより、労働者を運搬し、又は労働者をつり上げて作業させてはならない。作業の性質上やむを得ない場合又は安全な作業の遂行上必要な場合は、クレーンのつり具に専用の搭乗設備を設けて当該搭乗設備に労働者を乗せることができる。搭乗設備については、墜落による労働者の危険を防止するため、次の次項を行わなければならない。
  1. 搭乗設備の転位及び脱落を防止する措置を講じること。
  2. 労働者に安全帯その他の命綱を使用させること。
  3. 搭乗設備を下降させる時は、動力降下の方法によること。
  4. 労働者は、安全帯等の使用を命じられた時は、これを使用しなければならない。
                                        クレーン等安全規則第26条、第27条

 作業の性質上やむを得ない場合とは、 短期間で終了する小規模な臨時的な作業、代替の方法が確立されていない作業をいう。 安全な作業の遂行上必要な場合とは、クレーンを使用することによって、より安全な作業の逐行が期待できる場合をいう。 なお、搭乗設備と搭乗者の総重量の1.3倍に相当する質量に500kgを加えた値がクレーンの定格荷重を超えてはならない。 搭乗設備の転位及び脱落を防止する措置とは、偏心荷重等による搭乗設備の傾き防止及びつり具の外れ止め装置の取付け等をいう。

労働者の立入禁止

 ケーブルクレーンを用いて作業を行う時は、巻上用ワイヤロープもしくは横行用ワイヤロープが通っているシーブ又は取付部の破損により、当該ワイヤロープが跳ねる、又はシーブもしくはその取付部が飛来することによる労働者の危険を防止するため、当該ワイヤロープの内角側で、危険を生じる恐れのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。
                                             クレーン等安全規則第28条

り荷の下への立入禁止

 クレーンに係る作業を行う場合であって、次の各号のいずれかに該当する時は、つり上げられている荷(6の場合にあっては、つり具を含む。)の下に労働者を立ち入らせてはならない。
  1. ハッカーを用いて玉掛けをした荷がつり上げられている時。
  2. つりクランプ1個を用いて玉掛けをした荷がつり上げられている時。
  3. ワイヤロープ等を用いて1箇所に玉掛けをした荷がつり上げられている時。ただし、 荷に設け
     られた穴又はアイボルトにワイヤロープ等を通して玉掛けをしている場合を除く。
  4. 複数の荷が一度につり上げられている場合で、その複数の荷が結束され、箱に入れられる等
     の固定をされていない時。
  5. 磁力又は陰圧により吸着させるつり具又は玉掛用具を用いて玉掛けをした荷がつり上げられて
     いる時。
  6. 動力降下以外の方法によって荷又はつり具を下降させる時。
                                              クレーン等安全規則第29条

 クレーンの作業は、原則として労働者をつり荷の下に立ち入らせないようにしなければならないが、つり荷の下にやむを得ず立ち入らなければならない場合もある。本条は、如何なる場合であっても、労働者の立入りを認めないものについて規定したものである。
 つり上げられている荷の下には、荷の直下及び荷の振れや回転する恐れのある直下が含まれる。 ハッカーは、先端が爪の形をしたもので、荷の端に爪を引っ掛けて使用する。動力降下以外の方法とは、自由降下による方法いうものである。

                
                   ハッカー                             アイボルト
             
         横吊クランプ      縦吊クランプ

並置クレーンの修理等の作業

  同一のランウェイに並置されている走行クレーンの修理、調整、点検等の作業を行う時、 又はランウェイの上その他走行クレーンが労働者に接触することにより、労働者に危険を生ずる恐れのある箇所で作業を行う時は、監視人を置くこと、 ランウェイの上にストッパーを設けること等、 走行クレーンと走行クレーンが衝突し、又は走行クレーンが労働者に接触することによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
                                              クレーン等安全規則第30条

 本条の走行クレーンが接触する恐れのある箇所とは、ランウェイから至近距離にある設備及び建築物等の部分の修理、調整、点検、塗装等の作業を行っている箇所をいう。ランウェイの上にストッパーを設ける等の措置の「等」には、 一定の距離にクレーンが接近した時に電源を自動的に遮断する装置をクレーンに設けること、走行用トロリ線に絶縁物を取付けること等が含まれる。

運転禁止等

 天井クレーンのクレーンガーダの上又は橋形クレーンのクレーンガーダ、カンチレバー もしくは脚の上等において接近する建物、機械、設備等の点検、補修、塗装等の作業(以下、天井クレーン等の点検等の作業という。)を行う時は、天井クレーン等がの不意に起動することによる労働者の墜落、挟まれ等の危険を防止するため、 当該天井クレーン等の運転を禁止すると共に、 当該天井クレーン等の操作部分に運転を禁止する旨を表示しなければならない。ただし、天井クレーン等の点検等の作業を指揮する者を定め、その者に天井クレーン等の点検等の作業を指揮させ、かつ、天井クレーン等のクレーンガーダ、カンチレバー又は脚の上において点検等の作業に従事する労働者と天井クレーン等を運転する者との間の連絡及び合図の方法を定め、当該方法により連絡及び合図を行わせる時は、この限りでない。
                                           クレーン等安全規則第30条の2

 本条は、天井クレーンのクレーンガーダの上等において作業を行う場合の墜落や挟まれ等の危険を防止するための措置につい規定したものである。 ただし書きの「 当該方法により連絡及び合図を行わせる時」とは、作業を指揮する者が天井クレーン等の運転士から連絡及び合図を受け、作業に従事する労働者の退避等の安全を確認した上で天井クレーン等を運転させることをいうものである。

暴風時における逸走防止

 事業者は、 瞬間風速が毎秒30mを超える風が吹く恐れのある時は、 屋外に設置されている走行クレーンについて、逸走防止装置を作用させる等その逸走を防止するための措置を講じなければならない。
                                              クレーン等安全規則第31条

屋外に設置されている走行クレーンには、暴風時に屋内へ収容されるクレーンは含まれない。

強風時の作業中止

 事業者は、強風のためクレーンに係る作業の実施について危険が予想される時は、当該作業を中止しなければならない。
                                          クレーン等安全規則第31条第2項

 強風とは、10分間の平均風速が10m/s以上の風をいう。クレーンに係る作業に危険が予想される時とは、風の影響によってつり荷に振れや回転が起こり、労働者に危険を及ぼす恐れがある時、定格荷重の荷をつり上げる作業中に荷の作業半径が風圧で増大し、定格荷重を超える荷重が掛かる恐れがある時をいう。 クレーンは、 機体の構造や荷の形状によって風の影響による危険度が異なるため、個々の作業によって適切な判断を下すことが大切である。

強風時における損壊の防止

 事業者は、作業を中止した場合であってジブクレーンのジブが損壊する恐れのある時は、 当該ジブの位置を固定させる等により、ジブの損壊による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
                                          クレーン等安全規則第31条第3項

 本条は、 ジブクレーンのジブが損壊する恐れのある時の労働者の危険を防止するための措置について規定したものである。 労働者の危険を防止するための措置には、ジブクレーンにおいてはジブを堅固な物に固定させこと、じぶの安定が保持される市にセットし、自由に旋回できる状態にしておくこと等の措置の他、ジブの損壊により危険が及ぶ恐れのある範囲内を立入禁止とする措置が含まれる。

運転位置からの離脱の禁止

 事業者は、クレーンの運転者を荷をつったままで運転位置から離れさせてはならない。クレーンの運転士は、荷をつったままで運転位置から離れてはならない。
                                              クレーン等安全規則第32条

 この条文には、流れ作業のラインに使用されるクレーンのように、すべての作業が自動的に行われ、かつ、運搬経路が一定のクレーンは含まない。

組立て等の作業

事業者は、クレーンの組立て又は解体の作業を行う時は、次の措置を講じなければならない。
  1. 作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施させること。
  2. 作業を行う区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい
     箇所に表示すること。
  3. 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、 作業の実施について危険が予想される時は、当該作業
     に労働者を従事させないこと。
事業者は、作業を指揮する者に次の事項を行わせなければならない。
  1. 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を指揮すること。
  2. 材料の欠点の有無並びに器具及び工具の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
  3. 作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
                                              クレーン等安全規則第33条

 作業を行う区域の関係労働者とは、当該作業に従事する労働者、当該作業のための材料の運搬又は整理を行う労働者、作業の指示又は連絡等にあたる労働者をいう。

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