直流電動機

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 直流電動機は、速度制御能力に優れています。 しかし、価格が高価であるため、高度な速度制御を要求されるアンローダやコンテナクレーンに使用されています。




直流電動機の概要

 直流電動機の固定子や回転を行う部分の機能は、三相誘導電動機とは異なる。三相誘導電動機のように一次側とか二次側とは呼ばず、固定子は界磁(フィールド)、回転を行う部分は電機子(アーマチュア)といい、どちらも巻線になっている。電機子に電流を一定方向に供給する機構は、整流子(コミュテータ)という。直流電動機は、電機子に加わる電圧及び界磁に流れる励磁電流の大きさによって電機子の回転数が変化するため、誘導電動機の同期速度に相当するものはない。直流電動機の整流子やブラシは保守が必要なため、今ではかご形三相誘導電動機を用いたインバーター制御が主流になりつつある。
● 界 磁(フィールド)は、磁界を作る電磁石又は永久磁石
● 電機子(アーマチュア)は、回転運動を行う部分
● 整流子(コミュテータ)は、ブラシから供給される電流をコイルの一定方向に流す
● ブラシは、 整流子に摺動接触して電流を流す

          

直流電動機の種類

 直流電動機には、界磁と電機子を直列に接続した直巻電動機、界磁と電機子を並列に接続した分巻電動機、これらの複合形の複巻電動機、界磁を切り離して別に励磁する他励磁電動機がある。

● 直巻電動機
  低速では大きなトルクを出し、負荷が下がると回転速度が速く
 なる。
● 分巻電動機
 負荷が掛かっても回転速度はそれほど変わらない。
● 複巻電動機
 直巻電動機と分巻電動機の中間的な特性がある。
● 他励磁電動機
 界磁巻線と電機子の巻線の電源を別々に接続して両方の電流を
 制御することにより広範囲の速度制御が行える。

直流電動機の制御

 クレーンに使用されている直流電動機の制御には、ワードレオナード制御と呼ばれる可変電圧制御やサイリスタレオナード制御が用いられている。

● ワードレオナード制御

 ワードレオナード制御は、それぞれの直流電動機ごとに三相誘導電機で駆動する直流発電機を設け、直流発電機の電圧を変えて直流電動機に加える電圧を変化させて制御している。この制御法は、直流発電機及び直流発電機を駆動させる三相誘導電機(M−Gセットという。)が必要なため、設備費が極めて高額になる。このため、この制御法は高性能を求められるクレーンに使用している。 また、設備費を抑えるために巻上げのみを直流電動機にしたものがある。

        

● サイリスタレオナード制御

 ワードレオナード制御の直流電動機をサイリスタに替えたものをサイリスタレオナード制御という。 サイリスタによって交流を直流に変換する方式で、ワードレオナード制御に比べて設備を小さくすることができるため、ワードレオナード制御よりも多く使用されている。

          
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