ケーブルクレーンは、トロリの横行範囲が広く、運転室からつり荷を直接確認することが難しいため、操作盤につり荷の位置を表示する荷重位置表示装置を組み込んでいます。駅構内において手荷物を積載した手押し車等をつり、線路を超えて他のホームに運搬する作業に用いられているテルハは、跨線(こせん)テルハと呼ばれています。
2つの塔の間に張り渡したメインロープを軌道としてトロリが横行する形式で、スパンの長いものが多い。ケーブルクレーンには、両側の塔が固定している固定ケーブルクレーン、両方の塔が走行する両側走行ケーブルクレーン、 片側の塔が円弧状のレールを走行する片側走行ケーブルクレーン、メインロープが固定塔又はアンカーの間に張ったレールロープを走行する軌索式ケーブルクレーンがある。
ケーブルクレーンの固定している塔を固定塔、移動できる塔を移動塔といい、メインロープ両端に高低差のあるものがある。主な用途としては、ダム、河川、橋梁架設でのコンクリート打設や土木工事に使用されている。また、ケーブルクレーンには橋形構造物の両端の間にケーブルを張り、これを軌道としてトロリを横行させる橋形ケーブルクレーンがある。
● 固定ケーブルクレーン (両側の塔が固定されている)
● 両側走行ケーブルクレーン (両方の塔が走行)
● 片側走行ケーブルクレーン (片側の塔が走行)
● 軌索式ケーブルクレーン (メインロープがレールロープを走行)
● 橋形ケーブルクレーン (橋形構造物にケーブルを張ったもの)
軌索式ケーブルクレーン |
|
軌索式ケーブルクレーン |
工場や倉庫等の天井に取付けた I 形鋼の梁(はり)に電気ホイスト又は電気チェーンブロックをつり下げた簡単な構造で、モノレールホイストとも呼ばれる。レールに沿って移動するホイストの横行と荷の上げ下げのみを行うことができる。作業範囲は、I形鋼に沿った範囲に限られるが、取扱いが容易なため、倉庫や機械工場での小規模な材料や製品等の運搬に広く用いられている。床上で操作する方式が一般的で、走行の方式には手押し走行、鎖動走行、電動走行がある。レールには、直線形、曲線形、ループ形があり、レールの一部に回転させる分岐装置を設けることにより、作業性を高めることができる。