ボルト / ナット / 座金

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 ボルトは、部品と部品とを締め付けて固定するための機械的要素です。材質には、鋼、ステンレス、アルミ合金、チタン合金等があり、用途により様々な形状のものがあります。




ボルトの種類

  ボルトやナットは、2つ以上の部材を取付けるために用いらている。クレーンには、次のようなボルトが使用されている。

 ● 六角ボルト

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 ボルトの頭部が正六角形をしている六角ボルトは、ごく一般的に使用されている。ボルト径よりも取付け穴の径がほんの少し大きく、ボルトの軸方向の引張力には耐えられるが、締め付けによる摩擦力以上の力が横方向に掛かると部材がずれる恐れがある。クレーンでは、機械部品、電気機器、手すり等の取付けに使用されている。

 ● 摩擦接合用高力ボルト (ハイテンションボルト)

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 摩擦接合用高力ボルは、ボルトの素材に高張力鋼を使用しているため、普通の材質よりも100倍近い強度がある。このボルトは、締付力によって生じる接合部材間の摩擦力を利用したもので、大きな引張力に耐えることができるため、クレーンガーダや脚等の主要な構造部材の接合に使用されている。

 ● リーマボルト

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 リーマボルトは、穴径よりもボルト径が若干大きく、精度が高く滑らかなリーマ仕上げした穴に軽く打ち込んで締め付けるため、取付精度が高い。横方向の力をせん断力として受けるため、大きな力に耐えることができる。このため、クレーンのサドルや機械部品の位置決め及び構造部材の継手等に多く使用されている。

 ● 植込みボルト

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 通しボルトが使用できない箇所では、植込みボルトが使用されている。 植込みボルトは軸の両側にねじが切られ、植込み側を本体にねじ込み、 もう一方に部品等を取付けてナットで締め付ける用途に使用されている。


座金 / 緩み止め

 座金は、ボルトやナットの締付効果を高めるために取付部材との間に使用するもので、平座金、ばね座金、舌付き座金等がある。座金以外の緩み止めとしては、ナットに細工をした溝付きナット、ダブルナット、スプリングナット等が使用されている。

 ● 平座金

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 平座金は、平らな円盤状のもので、平ワッシャーともいう。ボルトに対して通し穴が大きい場合、部材の当たりが良くない場合、軟質材料等で傷つきやすい場合に用いられる。被締結物に対しての強度が大きく違うと座面陥没の恐れがあるため、座面強度と軸力を考慮して選定する必要がある。平らな座金のため、緩み止め効果は低い。

 ● ばね座金

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 ばね座金は、平座金の一部を切断して切り口をねじってバネ作用を持たせたもので、スプリングワッシャーともいう。座金の振動や繰り返し荷重による緩みを防止するため、座金に回らない工夫がされているばね座金は、材質にもよるが、ボルト、ナットと同質材であれば、切り口の段差が金属部分の厚さの50%のねじ込みで、ばね座金を使用しない場合のナットの完全ねじ込み状態と同じ強度が得られる。

 ● 舌付き座金

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 舌付き座金は、丸平座金の一部突き出た部分を折り曲げてナットに巻きつけて座金が回らないように工夫されている。ばね座金と同じく、座金の振動や繰り返し荷重による緩みを防止するために使用される。


 ● 勾配座金

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 勾配のある面をボルトで締付ける時、ボルトに曲げの力が掛からないようにするために勾配座金が用いられる。勾配角度によって、I 形鋼用や溝形鋼用等がある。ボルト頭又はナットと接合部材との接触面が傾斜している際に使用され、ボルトの緩みを防止して作業性を向上させることができる。

 ● 溝付きナット

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 溝付きナットは、通常の六角ナットに溝が付いた形状で、この溝に割ピンを差し込んで緩みを防止するナットで、キャッスルナットともいう。ボルトに開けた貫通穴とナットの溝に割りピンを差し込み、割ピンがが脱落しないようにピンの先端を曲げて使用するナット脱落防止用ナットである。

 ● ダブルナット

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 同じ厚みの2つのナットを互いに締め合うことでボルトは緩みにくくなる。このような方法をダブルナット、二重ナットあるいはロックナットという。



 ● スプリングナット

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 緩み止め効果のあるバネ状の座金とナットを一体にしたもので、座金のはめ忘れや落とし込みを防ぐことができ、在庫、購買の手数が半減するといったメリットがある。



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