製造検査、使用検査は、メーカー又は輸入業者等が行うものであるため、一般の事業者が直接係ることはありません。設置報告書以降の条文は、事業者や免許取得者に深く係っています。
つり上げ荷重が3t以上の移動式クレーンを設置しようとする事業者は、あらかじめ、移動式クレーン設置報告書に移動式クレーン明細書(製造検査済又は使用検査済の印を押したもの)及び移動式クレーン検査証を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。ただし、認定を受けた事業者については、この限りでない。
クレーン等安全規則第61条
製造検査又は使用検査に合格したつり上げ荷重が3t 以上の移動式クレーンには、移動式クレ
ーン検査証が交付されている。つり上げ荷重が3t以上の移動式クレーンを設置しようとする事業者(認定事業者を除く)は、あらかじめ、移動式クレーン検査証ならびに設置報告書等を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。移動式クレーン設置報告書が提出されると、所轄労働基準監督署長は台帳を作成し、移動式クレーン検査証に設置地及び事業の名称を記載し、検査証及び明細書を事業者に返却する。
所轄労働基準監督署長に移動式クレーン設置報告書を提出すると、所轄労働基準監督署長は台帳を作成し、移動式クレーン検査証に設置地及び事業の名称を記載して事業者に返却する。返却された設置報告書には、事業の種類、事業の名称(企業名)、事業の所在地、設置地、移動式クレーンの種類及び形式、つり上げ荷重、製造者名、製造年月日等が記載されている。また、製造検査申請書、移動式クレーン明細書、定格荷重表、検査申請用移動式クレーン組立図等が添付されている。
平成18年4月1日に施行された労働安全衛生法等により、労働基準監督署長の認定を受けている者(認定事業者)は、クレーン等の特定機械の設置届、変更届、設置報告、休止報告等の義務が免除される。ただし、変更検査は免除されない。
認定事業者の条件 |
労働安全衛生法第88条第1項又は第2項の計画の届出事業場が対象 |
認定は3年間有効 |
落成検査、変更検査等は免除されない。 |
危険性、有害性等の調査を含め、労働安全衛生マネジメントシステムを実施している事業場は、次の(1)〜(3)を満たしていることについて労働基準監督署長の認定を受けることにより、計画の届出が免除される。 (1)労働安全衛生マネジメントシステムの適切な実施を認められること。 (2)労働災害の発生率が業種平均を下回っていること。 (3)申請前の1年間に死亡災害等の重大労働災害が発生していないこと。 |
労働安全衛生マネジメントシステムとは、事業場における安全衛生水準の向上を図ることを目的として事業者が一連の過程を定め、次の(1)〜(4)に掲げる活動を自主的に行うものをいう。 (1)安全衛生に関する方針の表明 (2)危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置 (3)全衛生に関する目標の設定 (4)安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善 |
事業者は、令第13条第3項第15号の移動式クレーンを設置した時は、当該移動式クレーンについて、第55条第3項の荷重試験及び安定度試験を行わなければならない。
クレーン等安全規則第62条
令第13条第3項第15号の移動式クレーンとは、つり上げ荷重が0.5t以上3t未満の移動式クレーンをいう。つり上げ荷重が0.5t以上3t未満の移動式クレーンには、移動式クレーン検査証は交付されない。また、これらの移動式クレーンは、設置報告書を所轄労働基準監督署長に提出する必要がない。本条は、つり上げ荷重が0.5t以上3t未満の移動式クレーンを設置した事業者に、製造検査で行われる荷重試験及び安定度試験と同様の検査を行うことを義務付けている。
移動式クレーンに定格荷重の1.25倍に相当する荷重(定格荷重が200tを超える場合は、定格荷重に50tを加えた荷重)の荷をつって、つり上げ、旋回、走行等の作動を行うものとする。
安定度試験は、クレーンに定格荷重の1.27倍に相当する荷重の荷をつって、移動式クレーンの安定に関し最も不利な条件で地切りすることにより行うものとする。