移動式クレーンの用語
 定義と種類
 上部旋回体
 下部走行体
 フロントアタッチメント
 ワイヤロープ
 安全装置
 移動式クレーンの性能
 地盤と作業領域
 移動式クレーンの取扱い
 移動式クレーンの原動機
 エンジンの性能と点検
 油圧装置
 油圧制御弁
 油圧装置の付属機器
 作動油
 電気の基礎知識
 感電と対策
 絶縁/設置/測定機器
 製造検査と使用検査
 移動式クレーンの設置
 検査証と性能検査
 変更届と変更検査
 休止と廃止
 移動式クレーンの使用
 使用禁止の玉掛用具
 移動式クレーンの合図
 自主検査
 移動式クレーンの免許等
エンジンの性能
 エンジンの性能は、燃料の消費率、どれほどの力が生まれたかというトルク、単位時間の仕事量を示す出力で見ることができます。
燃料消費率
 燃料消費率は、エンジンが1時間に1馬力の動力を出し続けた時に消費される燃料の量をグラム(g)で表します。
トルク
 トルクは、クランクシャフトを捻ろうとする力です。エンジンは、燃料の爆発力でピストンを押し下げ、その力をクランクシャフトに伝えて回転させています。1kgのトルクは、エンジンのシャフトから真横に1mの棒を延ばし、 その先端に1kgのおもりをつけた時のシャフトを捻ろうとする力をいいます。トルクは、136kg・m/1400rpmという表し方をしますが、これはエンジンの回転数が毎分1400回転の時、シャフトから1mの距離において136kgの力が働いているという事を示しています。
出力 (馬力)
 エンジンのパワー (単位時間にする仕事) は、馬力(PS)という単位で表します。この馬力という考え方は、蒸気機関を発明したイギリス人のワットによるものです。ワットは、蒸気機関の性能を比較するため、炭鉱で使われていた馬の動力を基準にしました。550ft・1bf /sが1馬力で、これをメートル法に換算すると75kgf・m/s(1秒間に75kgの物体を1m引き上げる力)になります。 つまり、1秒間にエンジンのシャフトをどれだけ回せるかを示しています。馬力は回転量、トルクは回転力で、次のような関係が成り立ちます。
馬力=トルク×回転数
1PS=735.4W
エンジンの点検
 移動式クレーンのエンジンの取扱いを誤ると、機能を停止してしまうため、点検や整備は正しく行わなくてはなりません。
エンジンの始動前の点検
エンジンの始動前の点検は、エンジンを停止させて行います。
1. エンジンオイル
 油量計(オイルレベルゲージ)によってエンジンオイルが規定量であるかを確認し、不足している場合は補充します。
2. 冷却水
 冷却水がラジエータの給水口の根元まであることを確認し、不足している場合はエアが混入しないように少量ずつ時間を掛けて補充します。寒冷時には、不凍液を入れます。
3. 燃 料
燃料計で燃料の量を確認し、不足している場合は補充します。
4. ファンベル
ファンベルトの張りは、ベルトの中間を指で押し、緩んでいる場合は調整します。また、傷の有無や油の付着等も点検します。
アイドリング中の点検
 エンジンを掛け、エンジンオイルが適温になるまでウォーミングアップを行います。寒冷時の急激な負荷は、エンジンの寿命を縮めるため、アイドリングは大切です。アイドリング中に以下について点検を行います。
1. エンジンの油圧
 アイドリング中及び運転中の油圧は、グリーンゾーンが正常です。レッドゾーンを示したり、油圧警告ランプが点灯した場合は、エンジンを直ちに停止して点検します。
2. 漏 れ
エンジンオイル、冷却水、燃料等の漏れを確認します。
3. エンジン音
エンジンの音に注意し、異音が聞こえる場合は直ちに点検します。
4. 排気の色
排気の色により、燃焼状態を確認します。
無色又は薄い青色 …… 完全燃焼
黒 色 …… 不完全燃焼
白 色 …… オイルが燃焼している
運転中の点検
運転中は計器を見て、次の事項を点検します。
1. エンジンの油圧
2. 水温計の温度
3. バッテリの充電状況
4. エンジン、その他の異音
運転後の点検
1. 燃料の補給
 燃料が不足している場合は、補給します。寒冷地は、運転終了後にタンクが一杯になるまで燃料を補給します。このようにすると、タンク内の空気量を少なくし、空気中に含まれる水分凝固による凍結や燃料系統の錆びを防止することができます。
2. メインスイッチを切り、エンジンキーを取外して保管
 高温状態のエンジンの焼付きを防止するため、燃焼室の温度が下がるまでアイドリングを行い、その後、エンジンを停止しす。