物体の安定

photo

 物体の安定とは、外からの作用によって物体に微小な変化を与えても、元の状態からのズレが一定の範囲に収まるような状態、あるいは変化が起きにくい状態をいいます。




安定及び不安定

 静止している物体に力を加えて少し傾けて離した時、物体が元の位置へ戻ろうとするなら、その物体は「安定」又は「すわりが良い」という。逆に物体が転倒しようとする場合は、「不安定」又は「すわりが悪い」という。また、傾いたままの状態で停止する場合は、「中立のすわり」という。図のように重心からの鉛直線が物体の底面を通る時は、物体を元に戻そうとするモーメントが働き、物体は元の位置に戻る。重心からの鉛直線が物体の底面から外れる時は物体を倒そうとするモーメントが働き、物体は転倒する。

            

物体の安定性

 物体には、少し傾けるとすぐ倒れる安定性の悪い状態と、少々傾けてもすぐに元に戻る安定性の良い状態がある。物体を床に置いた時、重心位置が低く、転倒支点から重心までの水平距離が大きいほど、物体を安定させようとするモーメントは大きくなる。図のように物体の置き方を変えると、BはAよりも底面積が大きく、重心位置が低くなる。これにより、BはAよりも安定性が良くなる。つまり、同じ物体でも置き方を変えることで安定を良くすることができる。したがって、物体を安定した状態に保つためには、重心位置を低く、底面積が広くなるように置くことが重要である。

              
ページトップへ

crane-club.com

Copyright crane-club 1999 All Rights Reserved.