SI単位
 力に関する事項
 力のモーメント
 力のつり合い
 物体の質量と比重
 物体の重心
 物体の安定
 物体の運動と速度
 摩擦力と摩擦の法則
 慣性と遠心力
 荷重と応力
 ワイヤロープのつり角度
 滑車装置
物体の重心
 物体は、小さな分子で構成され、それぞれの分子には重力が作用します。 これらの重力が1点に集中して働く作用点を重心といいます。物体の重心は常に一定の点で、物体の位置や置き方を変えても物体の重心の位置は変わりません。物体の材料が異なっていても、形状が同じで材質が均一であれば、重心は同じ位置にあります。ただし、重心が必ずしも物体内部にあるとは限りません。
図式による重心の求め方
 簡単な形状の物体や、その組合せである物体は、物体を分割してそれぞれの重心を求め、その合力で物体全体の重心を求めることができます。
 図のような形状の物体は、AとBの2つに分け、それぞれの対角線の交点によって重心G、Gを求めます。 次にAの重心Gから任意の直線G、Dを引き、更にG、D上で質量比を逆にした点Cを求めます。 続いて点CからD、Gに平行な直線C、Gを引いてG、Gと交わる交点を求めることで、形状の異なる物体の重心Gを求めることができます。
数式による重心の求め方
 図式によって重心を求めることができる物体は、数式によっても重心を求めることができます。図のような物体は、AとBに分け、それぞれの対角線の交点によって重心GとGを求めます。Aの質量をW、Bの質量をWとすると、Aの重心Gから物体の重心Gまでのaの長さ及びBの重心Gから物体の重心Gまでのbの長さは、平行力のつり合いによって次の式で求めることができます。
×a=W×b ×b=W×a
×a=W×(L−a) ×b=W×(L−b)
×a=W×L−W×a ×b=W×L−W×b
×a+W×a=W×L ×b+W×b=W×L
(W+W)×a=W×L (W+W)×b=W×L
a= ×L
+W
a= ×L
+W
【計算例】
 図のような物体のAの質量が20kg、Bの質量が70kg、AとBの重心間の長さが90cmの場合の物体の重心GからGまでの長さ(X)の求め方。
20 ×90
20+70
×90
20cm
目安による重心の求め方
 物体を1点でつった時、その鉛直線は必ず物体の重心を通ります。物体の互いに異なる任意の箇所をつり、 その作用線の交点を求めると物体の重心を求めることができます。クレーン作業において、重心位置が図Aのように偏っている状態で荷をつり上げると、つり荷は図Bのように傾きます。 これはF1とF2がつり合おう
としてズレを修正するために起きるもので、 この傾いた状態でFとFはつり合っています。
 傾いた状態で荷をつった場合、左右のワイヤロープに作用する張力が異なるため、一方の玉掛用ワイヤロープに大きな負荷が掛かります。荷の傾きは、ワイヤロープの滑りや荷の落下の原因になるため、クレーン等を用いて荷をつり上げる時は、荷の重心の真上にフックを移動させ、 つり荷を水平につらなければなりません。玉掛作業では、次の手順に従って玉掛けを行うことが大切です。
1. 目安で荷の重心位置を定めて玉掛けを行います。
(同じ長さのワイヤロープを使用し、AとBの間隔を同じにします。)
2. 荷を少しつり上げ、つり荷の状態を確認します。
3. つり荷が傾く場合は、一旦、つり荷を下ろし、荷の下がっていた方向にフック及び玉掛用ワイヤロープをずらします。
4. 再度、荷をつり上げて状態を確認します。
5. つり荷が安定しない場合は、水平になるまでこの手順を繰り返します。
形 状 重心の求め方 重心位置
平面形 三角形 3中線の交点又は中央の底辺から1/3の高さ
平行四辺形 対角線の交点
台形 台形を2つの三角形に分け、その重心を結ぶ直線とAD、BCの中点を結ぶ直線MNの交点
半円筒形 半円筒形は、物体の外側に重心が位置する。半円筒形を小さく分割し、分割したそれぞれの重心の合力により重心位置を求めると、右の図のような位置になる。
立体形 立方体 2つの面の重心位置を結ぶ直線の1/2の距離
円錐 底面の重心軸から1/4の高さ
四角錐

基本形の重心位置