慣性及び遠心力

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 遠心力は、回転運動において観測される慣性力の一種で、回転中心から外側へ向かう力です。慣性は、物体が外力を受けない限り、永遠に物体の運動が変わることがない性質をいうものです。



慣性

 静止している物体は、力が作用しない限り、永遠に静止を続ける。運動している物体は、同一の運動を永遠に続けようとする性質がある。これを「慣性」といい、物体が慣性によって動く力を「慣性力」という。車や電車が急発進すると、中に乗っている人は図のように進行方向とは反対方向に倒れそうになる。これは、慣性力によるものである。クレーン作業において、荷揺れが起こるのも慣性力の仕業である。物体には慣性力が働くため、静止している物体を動かしたり静止させたり、あるいは方向を変えるためには、力が必要になる。 物体の速度の変わり方や質量が大きいほど、大きな力を必要とする。慣性力は、加速度や質量に比例するため、加速度や質量が大きくなるほど慣性力は大きくなる。

             

遠心力及び向心力

 ある物体に糸を結び、その端を持って振り回すと、手は引っ張られる力を強く感じる。物体を図のAの位置で離すと、物体は慣性によってBの方向に飛んでいき、円運動を続けることができない。物体が円運動をしている時は、物体を円の外へ飛び出させようとする遠心力と、物体を回転中心に向かわせようとする向心力(求心力)が作用している。遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きは反対になる。物体の質量が大きく回転が速いほど遠心力及び向心力は大きくなる。なお、以前は向心力を求心力と呼んでいたが、現在は改称されて向心力という。

                
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