質量は、物理学的には物体の動かし難さや重さの度合いを表す物体固有の量です。質量の発生原理は、長年研究されていますが、解明には至っていません。質量が異なる場合は、動かしにくさも異なります。つまり、この動かしにくさこそが物質の質量だともいえます。重たい物体ほど動かしにくいのは、このためです。
物体そのものを構成する物質の量を「質量」という。地球や宇宙の如何なる空間であっても物質の量は変わらない。物体の単位体積当たりの質量及び物体の質量は、次の式で求めることができる。質量の単位には、kgやtが用いられている。
次の表は、様々な物質の1m3当たりのおよその質量を示したものである。この表は、体積が同じであっても、材質が異なれば質量が異なることを示している。なお、表の木材は、大気中で乾燥させた質量を表し、土、砂利、砂、石炭、コークス等は、見かけ質量(ばらの状態の質量)を表している。
物質の種類 | 1m3当たりの質量(t) | 物質の種類 | 1m3当たりの質量(t) |
鉛 | 11.4 | 砂 | 1.9 |
銅 | 8.9 | 石炭粉 | 1.0 |
鋼 | 7.8 | 石炭塊 | 0.8 |
鋳鉄 | 7.2 | コークス | 0.5 |
亜鉛 | 7.1 | 水 | 1.0 |
銑鉄 | 7.0 | カシ | 0.9 |
アルミニウム | 2.7 | ケヤキ | 0.7 |
粘土 | 2.6 | スギ | 0.4 |
コンクリート | 2.3 | ヒノキ | 0.4 |
土 | 2.0 | キリ | 0.3 |
比重とは、物体の質量と、その物体と同じ体積の4℃の純水の質量との比で次の式で表すことができる。4℃の純水1m3の質量は、1tである。このため、比重は1m3当たりの物体の質量の
表と同じ値になる。したがって、上記の表は比重を表したものともいえる。
ある物体が3次元の空間において、どれだけの場所を占めるかを表す度合いを「体積」という。体積は、次の式で求めることができる。
<例題>
図のような形状をしたアルミニウム製品のおおよその質量の求め方。まず初めに、円錐の体積を求める。続いて、物体の体積に物体の1m3当たりの質量(比重)を乗じると、物体の質量を求めることができる。アルミニウムの1m3当たりの質量は、2.7t。 したがって、物体の質量は次の式により、おおよそ0.7t になる。