変更届と変更検査

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 デリックは、交換する部分によっては、デリックの能力や強度等に影響を与えるものがあります。よって、どのようなものでも勝手に取り替えていいというものではありません。




変更届

 設置されているデリックについて、次の各号のいずれかに掲げる部分を変更しようとする事業者は、デリック変更届にデリック検査証及び変更しようとする部分(ワイヤロープ又はつりチエーンを除く。)の図面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
1. マスト、ブーム、控え、その他の構造部分
2. 原動機
3. ブレーキ
4. つり上げ機構
5. ワイヤロープ又はつりチェーン
6. フック、クラブバケット等のつり具
7. 基礎
                             クレーン等安全規則第129条
 変更によってつり上げ荷重が2t未満となるデリックについても、変更届を提出しなければならない。認定事業者は、変更届の義務が免除される。

 ● 変更に該当しないもの

 変更する部分の能力、材料、形状及び寸法が同一のものと交換する場合は、変更に該当しない。原動機の形式及び容量が同一の場合は、製造会社が異なっていても変更届を提出する必要はない。ただし、つり上げ荷重又は定格速度に影響を与える場合は変更届を提出しなければならない。

変更検査

 クレーン等安全規則第129条第1号及び第7号に該当する部分に変更を加えた者は、当該デリ
ックについて、所轄労働基準監督署長の検査を受けなければならない。ただし、所轄労働基準監督署長が当該検査の必要がないと認めたデリックについては、この限りでない。変更検査を受けようとする者はクレーン変更検査申請書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。認定事業者は、変更検査を受ける場合には、デリック変更検査申請書に検査に必要な書面を添付する。変更検査の対象でない変更の場合は、実施状況等報告書の提出の際に提出する。
                        クレーン等安全規則第130条第1項第3項
 変更検査の期日が性能検査の期日とおおむね一致する場合は、性能検査において変更検査が行われれる。

 ● 変更検査を受ける必要があるもの

 クレーン等安全規則第129条第1号及び第7号に該当するマスト、ブーム、控え、その他の構造部分、基礎を変更した場合は、変更検査を受ける必要がある。原動機、ブレーキ、つり上げ機構、ワイヤロープ又はつりチェーン、フック、クラブバケット等のつり具を変更しても変更検査の必要はない。

 ● 変更検査の必要がないと認められるもの

 1. 変更によってつり上げ荷重が2t未満になるデリック
 2. 構造部分のブレース、 補強材料等の取替えによって構造部分の強度が害されていないと認
  められるデリック

 ● 変更検査の内容

 変更検査及び変更検査を受ける場合の措置には、第条の規定(落成検査及び落成検査を受ける場合の措置)を準用する。
                             クレーン等安全規則第131条
大能力のデリックは、荷重試験が省略される。

荷重試験
 デリックに定格荷重の1.25倍相当する荷重(定格荷重が200tを超える場合は、定格荷重に50tを加えた荷重)の荷をつって、つり上げ、旋回、ブームの起伏の作動を行うものとする。
変更検査を受ける場合の措置
 変更検査を受ける者は、検査を受けるデリックについて、荷重試験及び安定度試験のための荷及び玉掛用具を準備しなければならない。変更検査に必要があると認める時は、検査を受ける者に次の事項を命じることができる。変更検査を受ける者は、検査に立ち会わなければならない。
1. 安全装置を分解すること
2. 塗装の一部を剥がすこと
3. リベットを抜き出し又は部材の一部に穴を開けること
4. ワイヤロープの一部を切断すること
5. 検査のために必要と認められるその他の事項

 ● 検査証の裏書

  所轄労働基準監督署長は、変更検査に合格したデリック又は所轄労働基準監督署長が変更検査の必要がないと認めたデリックについて、当該デリック検査証に検査期日、 変更部分及び検査結果について裏書を行うものとする。
                             クレーン等安全規則第132条

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