デリックの用語

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 デリックの用語は、デリックの知識を学ぶために必要不可欠です。それぞれの用語の意味を正しく理解しましょう。





つり上げ荷重

 デリックの構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重をつり上げ荷重といいフックブロックやグラブバケット等のつり具の質量が含まれている。つまり、デリックの最大のつり上げ能力を示したものがつり上げ荷重で、デリックにただ1つしか存在しない。

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定格荷重

 定格荷重は、デリックの構造及び材料ならびにブームの傾斜角及び長さに応じて負荷させることができる最大の荷重で、フックブロック等のつり具の質量を差し引いた荷重をいう。つまり、その時の デリックの状態において実際につることができる最大の荷重で、デリックのブームの傾斜角が変われば定格荷重の値も変化する。

ブーム及び傾斜角

 デリックの一端を支点として荷をつるために斜めに突き出した腕をブームという。ブームの傾斜角は、ブームの中心線と地上面(水平面)とがなす角度で、巻上操作を行わずにブームの傾斜角を大きくすると、つり荷は上がり、作業半径は小さくなる。傾斜角を小さくした場合はつり荷は下がり、作業半径は大きくなる。

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起伏

ブームが上下する運動(傾斜角を変える運動)

作業半径

 旋回できるブームを有するデリックの旋回中心から、フック等のつり具の中心から下ろした鉛直線(水平面に対して垂直の方向)までの水平距離

地切り

 デリックの巻上操作によって、つり荷を地面から離すことを地切りという。デリックで荷をつり上げる時は、地切り後に巻上げを一旦停止し、つり荷や玉掛けの状態を確認しなければならない。

揚程

 フック等のつり具を有効に上下できる上限と下限との間の垂直距離を揚程という。つり具を最大に巻下げた時、ドラムに2巻以上の捨巻きが残らなければならない。したがって、ドラムに捨巻きを残し、つり具を有効に上げ下げできる上限と下限との間の垂直距離を揚程という。

乱巻き

 ワイヤーロープを順序よく巻取れない状態を乱巻きという。巻き取りドラムとシーブの距離がドラム幅の20倍以下だと、乱巻きになりやすい。この場合、ワイヤーサバキ装置(ワイヤーシフター、ワイヤーガイド等)でドラムの回転に合わせてワイヤーを左右に送ってやる必要がある。

フリートアングル

 ドラム又はシーブの軸に直角な線とロープが実際に引っ張られる方向とのなす角度をフリートアングル(偏角)という。デリックの多くは、溝のないドラムを用いたウインチが使用されている。溝のないドラムのフリートアングルは2°以内に制限されている。これにより、ドラムに巻取るワイヤロープの乱巻きを防止している。溝付きドラム場合は、フリートアングルが4°以内に制限されている。

         

定格速度

デリックに定格荷重に相当する荷をつり、巻上げ、旋回を行う時のそれぞれの最高速度

直巻能力

 ウインチのつり上げ能力、巻取り能力は、すべて直巻能力で表示している。規格ウインチの呼び称の「屯型」と混同しやすいので、注意しなければならない。

玉掛け

 ワイヤロープやスリング等を使用し、デリック等のつり具に荷を掛けたり外したりする一連の作業。

巻上げ、巻下げ

 デリックのウインチに巻上用ワイヤロープを巻き取ったり巻き戻したりする作動を巻上げ、巻下げという。なお、巻上げ、巻下げの運動を総称して巻上げともいう。

上巻き、下巻き

 ドラムの上方より巻取る方式を上巻き、下方より巻取る方式を下巻きという。上巻き、下巻きでは、ラッチェットの方向、バンドブレーキの方向、ワイヤー止めの位置が異なる。通常は単胴は下巻き、複胴は上巻きになっている。

レッコ

ドラムのクラッチを抜き、つり荷を自重降下させること。

旋回

マスト及びブーム又はブームが回る運動

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