|
|
| デリックの使用の制限 |
つり上げ荷重が2t以上のデリックの構造に係る部分(構造部分、機械部分、附属部分等)は、クレーン等安全規則によって厚生労働大臣の定める基準(クレーン等構造規格)に適合するものでなければ使用してはならないと定められています。
つり上げ荷重が0.5t以上2t未満のデリックについては、労働安全衛生法及び施行令において、デリック構造規格を具備するものでなければ譲渡、貸与、設置をしてはならないと定められています。したがって、つり上げ荷重が0.5t以上のデリックは、クレーン等安全規則ならびに労働安全衛生法及び施行令により、デリック構造規格に適合するものでなければ設置及び使用することができません。 |
|
| 検査証の備え付け |
| つり上げ荷重が2t以上のデリックを用いて作業を行う時は、作業を行う場所にデリック検査証を備え付けておかなければなりません。 検査証を備え付ける場所とは、作業を行っている作業場又は事業場の事務所等をいうもので、デリックの運転士が携帯する必要はありません。 |
|
| 運転位置からの離脱の禁止 |
| 事業者は、デリックに荷をつったまま運転者を運転位置から離れさせてはなりません。デリックの運転士も荷をつったまま運転位置から離れてはなりません。 |
|
| 巻過ぎの防止 |
デリックの巻過防止装置は、フック、グラブバケット等のつり具の上面又はつり具の巻上用シーブの上面とドラム、シーブ (エコライザシーブを含む)、 その他の上面が接触する恐れのある物(傾斜したブームを除く)の下面との間隔が0.25m以上(直働式の巻過防止装置は0.05m以上)になるように調整しておかなければなりません。 巻過防止装置を具備しないデリックは、 巻上用ワイヤロープに標識を付ける又は警報装置を設ける等の措置を講じ、巻上用ワイヤロープの巻過ぎによる労働者の危険を防止しなければなりません。
巻過防止装置を具備しないデリックとは、つり上げ装置にウインチを用いる方式のデリックをいいます。したがって、ほとんどのデリックは巻過防止装置を具備していないものに該当します。 |
|
| 傾斜角の制限 |
デリックは、デリックの明細書に記載されているブームの傾斜角(つり上げ荷重が2t未満のデリックは、これを製造した者又は設計において定められているブームの傾斜角)の範囲を超えて使用してはなりません。
デリックのブームは、傾斜角が小さくなるほど定格荷重が小さくなります。定格荷重が小さくなることで過負荷を生じ、デリックの倒壊を招くことがあります。
このため、デリックは定められた傾斜角を超えて使用してはなりません。 つり上げ荷重が2t未満のデリックの製造した者又は設計が定めているブームの傾斜角については、
仕様書や説明書に記載されています。 |
|
| 過負荷の制限 |
| デリックは、定格荷重を超える荷重を掛けて使用してはなりません。ただし、やむを得ない事由により特例で負荷させる以外に方法がない場合は、次の措置を講ずることにより、定格荷重を超えて荷重試験で掛けた荷重(定格荷重の1.25倍)までの荷重を掛けて使用することができます。本条は、やむを得ない事由により特例の措置を講じる場合以外は、デリックに定格荷重を超える荷重を掛けて使用してはならないと定めたものです。やむを得ない事由とは、特例で負荷させる以外に方法がなく、かつ、臨時の場合をいいます。 |
|
| 特例負荷の措置 |
| 1. |
|
デリック特例報告書をあらかじめ所轄労働基準監督署長に提出します。 |
| 2. |
あらかじめ落成検査に規定されている荷重試験を行い、異常がないことを確認します。荷の質量及びつり上げ方法は、明確なものに限ります。 |
| 3. |
事業者は、作業を指揮する者を指名し、その者に直接指揮させます。 |
| 4. |
事業者は、荷重試験を行った時及びデリックに定格荷重を超える荷重を掛けて使用した時は、その結果を記録して3年間保存しなければなりません。 |
| ※ |
異常がないことを確認するとは、デリックの構造部分、機械部分、電気部分、ワイヤロープ、つり具を点検し、異常がないことを確かめることをいいます。 |
| ※ |
重試験及び特例負荷を行った場合は、その結果に応じて、その後2年間の荷重試験を省略することが認められています。 |
|
|
|
| 労働者の立入禁止 |
| デリックを用いて作業を行う時は、巻上用ワイヤロープもしくは起伏用ワイヤロープが通っているシーブ又は取付部分の破損によりワイヤロープが跳ねる、 あるいはシーブ又は取付部分が飛来することによる労働者の危険を防止するために、ワイヤロープの内角側で危険を生じる恐れのある箇所には労働者を立ち入らせてはなりません。 |
|
| 暴風時の逸走及び損壊の防止 |
| 瞬間風速が毎秒30mを越える風が吹く恐れのある時は、屋外に設置されているデリックのブームの動揺による破損を防止するため、ブームをマスト又は地上の固定物に固縛する等の措置を講じなければなりません。 |
|
| 強風時の作業中止 |
| 強風のためデリックの作業に危険が予想される時は、作業を中止しなければなりません。 強風とは、10分間の平均風速が10m/s以上の風をいいます。作業に危険が予想される時とは、風の影響によってつり荷の振れや回転が起こり、
労働者に危険を及ぼす恐れがある時、あるいは定格荷重の荷をつり上げる作業中に、つり荷の作業半径が風圧で増大し、定格荷重を超える荷重が掛かる恐れがある時をいいます。デリックは、機体の構造やつり荷の形状によって風の影響による危険度が異なるため、
個々の作業によって適切な判断を下すことが大切です。 |
|
| 搭乗の制限 |
| デリックにより、労働者の運搬や労働者をつり上げての作業を行ってはなりません。ただし、作業の性質上やむを得ない場合又は安全な作業の遂行上必要な場合は、
デリックのつり具に専用の搭乗設備を設けることにより労働者を乗せることができます。搭乗設備を使用する場合は、墜落による労働者の危険を防止するため、
次の措置を講じなければなりません。 |
|
| 1. |
|
搭乗設備には、転位及び脱落防止の措置を講じます。 |
| 2. |
労働者に安全帯を使用させなければならなりません。 |
| 3. |
安全帯等の使用を命じられた労働者は、その指示に従わなければなりません。 |
| 4. |
搭乗設備と搭乗者の総重量の1.3倍に相当する質量に500kgを加えた値が、デリックの定格荷重を超えてはなりません。 |
| 5. |
搭乗設備を下降させる時は、動力降下で行わなければなりません。 |
|
|
| デリックの組立て及び解体 |
| デリックの組立て又は解体の作業を行う時は、次の措置を講じなければなりません。 |
|
| 1. |
|
事業者は、作業を指揮する者を選任し、その者の指揮で作業を実施させます。 |
| 2. |
作業を行う区域の関係労働者以外の立ち入りを禁止し、その旨を見やすい箇所に表示します。 |
| 3. |
強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施に危険が予想される時は、労働者を作業に従事させてはなりません。 |
|
| 事業者は、作業を指揮する者に次の事項を行わせなければなりません。 |
|
| 1. |
|
作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を指揮します。 |
| 2. |
材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除きます。 |
| 3. |
作業中、安全帯や保護帽等の使用状況を監視します。 |
|
|
| 荷の下への立入禁止 |
デリックの作業において次のいずれかに該当する時は、つり上げられている荷(6の場合は、つり具も含む)の下に労働者を立ち入らせてはなりません。つり上げられている荷の下には、荷の直下及び荷の振れや回転する恐れのある直下が含まれます。
本条は、やむを得ずデリックの荷の下に立ち入らなければならない場合があるため、労働者の荷の下への立入禁止の範囲を次のように限定しています。 しかし、原則として労働者を荷の下に立ち入らせないようにしなければなりません。 |
|
| 1. |
|
ハッカーを用いて玉掛けをした荷がつり上げられている時。
・ 先端が爪の形をしたもので、荷の端に爪を引っ掛けて使用するものです。 |
| 2. |
つりクランプ1個を用いて玉掛けをした荷がつり上げられている時。 |
| 3. |
ワイヤロープ等を用いて1箇所に玉掛けをした荷がつり上げられている時。ただし、荷に設けられた穴又はアイボルトにワイヤロープ等を通して玉掛けをしている場合を除きます。 |
| 4. |
複数の荷が一度につり上げられている場合で、その複数の荷が結束され、箱に入れられる等の固定をされていない時。 |
| 5. |
磁力又は陰圧により吸着させるつり具又は玉掛用具を用いて玉掛けをした荷がつり上げられている時。 |
| 6. |
動力降下以外の方法によって荷又はつり具を下降させる時。
・ 動力降下以外の方法とは、自由降下による方法いいます。 |
|
|
|