デリックの休止と廃止

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 デリックの休止とは、検査証の有効期間を超えて使用を停止することをいいます。廃止とは、デリックのつり上げ荷重を2t未満に変更又は廃止することをいいます。




デリックの休止

 つり上げ荷重が2t 以上のデリックを設置している者がデリックの使用を休止しようとする場合において、その休止しようとする期間がデリック検査証の有効期間を経過した後に渡る時は当該デリック検査証の有効期間中に、その旨を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。ただし、認定を受けた事業者については、この限りでない。
                             クレーン等安全規則第133条
 本条の休止とは、デリックを設置したまま検査証の有効期間を超える期間使用しないものをいう。認定事業者は、休止報告の必要はないが、実施状況等報告書の提出の際に休止の状況等について併せて提出しなければならない。

使用再開検査

 休止しているつり上げ荷重が2t 以上のデリックを再び使用する者は、当該デリックについて所轄労働基準監督署長の検査を受けなければならない。使用再開検査を受けようとする者は、デリック使用再開検査申請書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
                        クレーン等安全規則第134条第1項第3項
この検査は、登録性能検査機関は行わない。

 ● 検査内容

第97条第2項及び第3項(落成検査)の規定は、使用再開検査について準用する。
                          クレーン等安全規則第134条第2項
 検査においては、デリックの各部分の構造及び機能について点検を行う他、荷重試験を行うものとする。荷重試験は、デリックにに定格荷重の1.25倍相当する荷重(定格荷重が200tを超える場合は、定格荷重に50tを加えた荷重)の荷をつって、つり上げ、旋回及びブームの起伏の作動を行うものとする。
                        クレーン等安全規則第97条第2項第3項

 ● 使用再開検査を受ける場合の措置

 第98条(落成検査を受ける場合の措置)の規定は、使用再開検査を受ける場合について準用する。
                             クレーン等安全規則第135条
 使用再開検査を受ける者は、当該検査を受けるデリックについて、荷重試験のための荷及び玉掛用具を準備しなければならない。検査を受ける者は、当該検査に立ち会わなければならない。所轄労働基準監督署長が必要があると認める時は、検査を受ける者に次の事項を命じることができる。
1. 安全装置を分解すること
2. 塗装の一部を剥がすこと
3. リベットを抜き出し又は部材の一部に穴を開けること
4. ワイヤロープの一部を切断すること
5. 検査のために必要と認められるその他の事項
                               クレーン等安全規則第98条

 ● 検査証の裏書

 所轄労働基準監督署長は、使用再開検査に合格したデリックについて、当該デリック検査証に検査期日及び検査結果について裏書を行うものとする。
                             クレーン等安全規則第136条
使用再開検査に合格したデリックは、検査証に裏書が行われると共に有効期間が定められる。

検査証の返還

 デリックを設置している者が、その使用を廃止した時又はつり上げ荷重を2t未満に変更した時は、その者は、遅滞なく、デリック検査証を所轄労働基準監督署長に返還しなければならない。
                             クレーン等安全規則第137条
 本条のつり上げ荷重の変更は、変更届、性能検査等に基づいて認められたた場合のみ可能になるものである。

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