デリックの用語
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玉掛用ワイヤロープの安全係数
 玉掛用ワイヤロープの安全係数は、6以上でなければデリックの玉掛用具として使用してはなりません。
 本条は、玉掛用ワイヤロープの切断による災害を防止するため、玉掛用ワイヤロープの安全係数の最低値を示したもので、ワイヤロープの切断荷重の値をワイヤロープに掛かる荷重の最大の値で除した値を安全係数といいます。
玉掛用つりチェーンの安全係数
 玉掛用つりチェーンの安全係数は、次に揚げるチェーンの区分に応じた値でなければデリックの玉掛用具として使用してはなりません。
1. 次のいずれにも該当するつりチェーンの安全係数は、4以上でなければ玉掛用具として使用してはなりません。
イ. 切断荷重の2分の1の荷重で引っ張った時、その伸びが0.5パーセント以下であること。
ロ. 引張強さの値が400N/mm2以上あり、かつ、その伸びが次の表の引張強さに応じた値以上になるものであること。
引張強さ 伸び
400N/mm以上630N/mm 未満 20%
630N/mm 以上1000N/mm 未満 17%
1000N/mm以上 15%
2. 前号に該当しないつりチェーンの安全係数は、5以上でなければ玉掛用具として使用してはなりません。
玉掛用フック及びシャックルの安全係数
 玉掛用フック及びシャックルの安全係数は、5以上でなければデリックの玉掛用具として使用してはなりません。
不適格なワイヤロープの使用禁止
 次のいずれかに該当するワイヤロープは、デリック等の玉掛用具として使用してはなりません。
1. ワイヤロープ1より間において、10%以上の素線が切断しているもの。(フイラ線を除く。)
素線の切断率= 切断素線数 ×100
1より間の素線数
【計算例】
 6×24のワイヤロープ1よりの間において15本の素線が切断している場合、10%以上の素線が切断しているため、玉掛用具として使用してはなりません。
素線の切断率= 15 ×100= 15 ≒10.41%
6×24 144
2. ワイヤロープの直径の減少が公称径の7%を超えるもの。
直径の減少率= 公称径−ロープの直径 ×100
公称径
【計算例】
 公称径14mmのワイヤロープの直径が12mmに減少している場合、直径の減少率が公称径の7%を超えているため、玉掛用具として使用してはなりません。
直径の減少率= 14−12 ×100= 2 ×100≒14.28%
14 14
3. キンクしたもの。
キンクとは、局部的によりが詰まったり、戻ったりしているものをいうもので、キンクの程度によって20〜40%の強度が低下します。
4. 著しい形崩れ又は腐食があるもの。
キンク 形くずれ 腐 食
不適格なつりチェーンの使用禁止
 次のいずれかに該当するつりチェーンは、デリックの玉掛用具として使用してはなりません。つりチェーンには、特殊鋼 (マンガン鋼等)をリング状に加工し、継ぎ目を鍛接又は溶接したものが多く使用されています。
 丸鋼の直径を呼び径といい、チェーンの大きさを表すために用いられています。ワイヤロープに比べて屈曲性(曲げられることに対する強さ)が大きく、 耐熱、耐食に優れ、形崩れがしにくい等の利点があります。熱処理を施して強度を増したものは、大きな力に耐えることができます。
1. つりチェーンの伸びが、製造された時の長さの5%を超えるもの。
(任意の5リンクの長さを基準長さとし、その長さの5%を超える伸びが生じたもの)
2. リンクの断面の直径の減少が、つりチェーンが製造された時の10%を超えるもの。
3. 亀裂があるもの。
不適格なフック、シャックル等の使用禁止
 次のいずれかに該当するフック、シャックル、リング、繊維ロープ、繊維ベルトは、玉掛用具として使用してはなりません。
1. 変形又は亀裂のあるフック、シャックル、リング
2. ストランドが切断している繊維ロープ、繊維ベルト
3. 著しい損傷や腐食がある繊維ロープ、繊維ベルト
リングの具備等
 エンドレスでないワイヤロープ及びつりチェーンは、その両端にフック、シャックル、リング、アイ等を備えているものでなければ玉掛用具として使用してはなりません。
 アイについては、アイスプライス又は圧縮止め、あるいはこれらと同等以上の強さを
保持するクリップ、クランプによるものでなければなりません。アイスプライスは、ワイヤロープのすべてのストランドを3回以上編み込んだ後、 それぞれのストランドの素線の半数の素線を切り、残された素線を更に2回以上 (すべてのストランドを4回以上編み込んだ場合は1回以上)編み込んだものでなければなりません。
つり具の作業開始前の点検
 ワイヤロープ、つりチェーン、繊維ロープ、繊維ベルト、フック、シャックル、リング等の玉掛用具を用いて玉掛作業を行う時は、作業を開始する前に玉掛用具の異常の有無について点検を行わなければなりません。点検を行って異常を認めた時は、直ちに補修しなければなりません。