クレーン・デリック運転士免許には、幾つかの種類があります。免許の種類と運転することができるクレーン等の種別を理解した上で、受験計画を立てましょう。
クレーン・デリック運転士免許には、次のような種類があります。
1.クレーン・デリック運転士免許 〔限定なし〕
クレーン及びデリックのすべてを運転することができる。
2.クレーン・デリック運転士免許 〔クレーン限定〕
すべてのクレーンを運転することができる。ただし、デリックを除く。
3.クレーン・デリック運転士免許 〔床上運転式クレーン限定〕
デリック及び無線操作式クレーンを除いたクレーンを運転することができる。
つり上げ荷重及びクレーン等の種別 | クレーン・デリック運転士免許 | |||
床上運転式 クレーン限定 |
クレーン限定 | 限定なし | ||
5t未満のすべての運転方式のクレーン | 運転可 | 運転可 | 運転可 | |
つり上げ荷重5t以上 | 跨線テルハ | |||
床上操作式クレーン | ||||
床上運転式クレーン | ||||
クレーン(無線操作式を含む) | 運転不可 | |||
デリック | 運転不可 |
クレーン・デリック運転士免許試験の受験に学歴や業務経験等の制約は設けられていません
が、次のいずれかに該当する場合は免許を受けることができません。
1.身体又は精神の欠陥により、免許に係る業務に就くことが不適当な者。ただし、都道府
県労働局長が認める者については、身体に欠陥がある者でも取扱うことができるクレー
ンの種類を限定し、作業についての必要な条件を附して免許を与えることができる。
2.免許が取消され、その取消しの日から1年を経過しない者
3.満18歳に満たない者
クレーン・デリック運転士免許試験の受験申請書用紙等一式(免許試験受験手続きのご案内受験申請書の作り方、受験申請書)は、安全衛生技術センター、都道府県労働基準協会(連合会)、社団法人・日本クレーン協会支部、労働局長登録教習機関、その他取扱い団体で無料配布しています。安全衛生技術センターに受験申請書用紙を郵送でお求めの場合は、受験申請書の部数を明記したメモ及び切手を貼った宛名明記の返信用封筒(角形2号33cm×24cm)を同封の上、各安全衛生技術センターに申し込んでください。受験申請書の書き方につきましては免許試験受験手続きのご案内に詳しく掲載されています。
指定試験機関に受験の申請を行う場合は、所定の受験申請書に必要事項を記入し、次の書類と共に各安全衛生技術センターの窓口に提出又は所定の封筒を用いて簡易書留にして郵送してください。
1.提出書類等
免許試験受験申請書 ( 所定の用紙 )
試験手数料
写真1枚 ( 30mm × 24mm )
添付書類
2.提出先
各安全衛生技術センター
3.提出方法
郵便 ( 簡易書留 ) 又は窓口 ( 土日、国民の祝日、年末年始等は休み )
4.受付期間
試験日の2ヶ月前から受付。郵送の場合は、2週間前の消印のあるものまで有効。
窓口の場 合は、センターの休日を除く試験日の2日前まで有効。定員に達した時は、
第2希望日が受験日になります。
筆記試験は、100点が満点です。 科目別に40%以上の正解の上、全科目の合計点数が60点以上が合格です。実技試験は、クレーンを安全かつ正確に運転するために必要な技能の有無が判定され、減点の合計が40点以下が合格です。試験の結果は、試験日から10日以内に発表されます。 合格の場合は、免許試験合格通知書、実技試験を伴う者の学科試験合格者は、実技試験受験票、それ以外は免許試験結果通知書で受験者に直接通知されます。なお、受験された安全衛生技術センターの掲示板にも掲示されます。
クレーン及びデリックのすべてを運転することができるクレーン・デリック運転士免許〔限定なし〕 を取得するための試験。実技試験には、つり上げ荷重が5t以上のクレーンを使用。実技試験では、デリックは使用しない。
種類 | 試験科目 | 出題数(配点) | 試験時間 |
学科 | ・クレーン及びデリックに関する知識 ・クレーン及びデリックの関係法令 ・原動機及び電気に関する知識 ・力学に関する知識 |
10問(1問3点) 10問(1問2点) 10問(1問3点) 10問(1問2点) |
2時間30分 1科目免除者は2時間 |
実技 | ・クレーンの運転 ・クレーンの運転のための合図 |
受験時間は、午前又は午後に分けて受験票に記載 |
取扱うことのできる機種をクレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許を取得するための試験。学科試験には、デリックに関する知識及びデリックの関係法令は出題されない。実技試験には、つり上げ荷重が5t以上のクレーンを使用。
種類 | 試験科目 | 出題数(配点) | 試験時間 |
学科 | ・クレーンに関する知識 ・クレーンの関係法令 ・原動機及び電気に関する知識 ・力学に関する知識 |
10問(1問3点) 10問(1問2点) 10問(1問3点) 10問(1問2点) |
2時間30分 1科目免除者は2時間 |
実技 | ・クレーンの運転 ・クレーンの運転のための合図 |
受験時間は、午前又は午後に分けて受験票に記載 |
取扱うことのできる機種を床上運転式クレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許を取得するための試験。学科試験には、デリックに関する知識及びデリックの関係法令は出題されない。 実技試験には、つり上げ荷重が5t以上の床上運転式クレーンを使用。
種類 | 試験科目 | 出題数(配点) | 試験時間 |
学科 | ・クレーンに関する知識 ・クレーンの関係法令 ・原動機及び電気に関する知識 ・力学に関する知識 |
10問(1問3点) 10問(1問2点) 10問(1問3点) 10問(1問2点) |
2時間30分 1科目免除者は2時間 |
実技 | ・床上運転式クレーンの運転 ・クレーンの運転のための合図 |
受験時間は、午前又は午後に分けて受験票に記載 |
クレーン限定のクレーン・デリック運転士免許(旧クレーン運転士免許を含む)を有する者が限定なしのクレーン・デリック運転士免許を取得するための限定解除試験。
実技試験は免除。
種類 | 試験科目 | 出題数(配点) | 試験時間 |
学科 | ・デリックに関する知識 ・デリックの関係法令 |
10問(1問3点) 10問(1問2点) |
1時間15分 |
床上運転式クレーン限定のクレーン・デリック運転士免許(旧クレーン運転士免許[床上運転式限定]を含む)を有する者が限定なしのクレーン・デリック運転士免許を取得するための限定解除試験。クレーンの運転のための合図は免除。
種類 | 試験科目 | 出題数(配点) | 試験時間 |
学科 | ・デリックに関する知識 ・デリックの関係法令 |
10問(1問3点) 10問(1問2点) |
1時間15分 |
実技 | ・クレーンの運転 | 受験時間は、午前又は午後に分けて受験票に記載 |
デリック運転士免許を有する者が限定なしのクレーン・デリック運転士免許を取得するための限定解除試験。クレーンの運転のための合図は免除。
種類 | 試験科目 | 出題数(配点) | 試験時間 |
学科 | ・クレーンに関する知識 ・クレーンの関係法令 ・原動機及び電気に関する知識 |
10問(1問3点) 10問(1問2点) 10問(1問3点) |
2時間00分 |
実技 | ・クレーンの運転 | 受験時間は、午前又は午後に分けて受験票に記載 |
筆記試験と実技試験に合格しただけでは、 クレーン・デリック運転士の免許証を手にすることはできません。免許証を取得するためには、申請者本人が直接又は郵送によって免許証の申請手続きを行わなければなりません。労働局長登録のクレーン学校に入校して実技教習を修了し、その後、安全衛生技術センター(指定試験機関)の筆記試験に合格し、免許試験合格通知書を公布された者、あるいは筆記試験と実技試験を安全衛生技術センターにおいて直接受験して合格し、免許試験合格通知書を公布された者は、「免許証申請書」を東京労働局免許証発行センターに送付します。ただし、本人による郵送のみ受け付けます。安全衛生技術センターの筆記試験に合格し、その後、クレーン学校に入校して実技教習を修了し、免許試験合格通知書を公布された者は、所在地を管轄する都道府県労働局の安全衛生を担当する課に免許証の申請手続きを行います。免許証は、この手続きを経て晴れて手にすることができます。免許証の申請書は、最寄りの労働局、労働基準監督署、安全衛生技術センターで入手できます。受験申請書の書き方は、「免許試験受験手続きのご案内」に詳しく掲載されています。
東京労働局免許証発行センター
〒 108−0014
東京都港区芝5−35−1